こんにちは、
ともやんです。
ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)は、クラシック音楽界の”帝王”と呼ばれた世界的な指揮者です。
数多くのレコード、CD、映像を発表していて、日本でももっとも有名なクラシック音楽の指揮者であり音楽家です。
そのカラヤンには、ベートーヴェンの交響曲全集をスタジオ録音4種類、ライブ録音2種類があります。
スタジオ録音は、50年代のフィルハーモニア管弦楽団のモノラルと、ベルリンフィルとの60年代、70年代、80年代各年代にステレオ録音を残しています。
個人的には、時代が進むほどにカラヤンは遠い存在になって行きます。
はっきりいえば、純粋な音楽家が、指揮もする実業家という感じになりました。
僕は、カラヤンに対してそういう印象を持ってしまいました。
だからカラヤンというと70年代初頭のブルックナーやチャイコフスキーまでで、
やはりアーティストカラヤンとなると60年代までです。
これは完全に個人的な偏見ですが、特に70年代以降は聴く気がしません。
だから、カラヤンのベートーヴェン交響曲全集は、
演奏自体をとれば、ベスト1がフィルハーモニア管とのモノラル盤、ベスト2が、66年の東京文化会館でのライブ録音。そしてベスト3が、60年代のベルリンフィルとのステレオ盤です。
カラヤン&フィルハーモニア管 真っ向勝負の爽快さ
カラヤンがフィルハーモニア管とベートーヴェンの交響曲全集を録音したが、52年から54年で、まだフルトヴェングラーが健在の頃でした。
このカラヤンの演奏は、フルトヴェングラーを意識したかどうかは不明ですが、大打者に真っ向勝負で剛速球を投げ込む若手投手のように爽快な清々しさを感じさせる演奏です。
録音がモノラルなのが残念ですが、カラヤンのベートーヴェン交響曲全集ならこれを聴かなきゃ始まらないと思います。
そして66年の日本公演のライブと最初のベルリンフィルとの録音は、共にフィルハーモニア管盤に準じる内容です。
ベスト1 カラヤン&フィルハーモニア管
『ベートーヴェン: 交響曲全集と序曲集(オフィシャル・リマスター・エディション)』
カラヤン没後25周年記念完全限定盤《Karajan Official Rematered Edition》。帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンの没後25年の年にお届けするカラヤン芸術の精華。全て最新リマスター音源によりその豊麗な世界が更に輝きをまして登場!!大曲だけでなく、帝王カラヤンの聞かせ上手の天才ぶりが十全に発揮されています。アビイ・ロード・スタジオによる、オリジナル・マスターテープから24bit/96khz最新リマスターによるボックスです。『交響曲第9番』では、ステレオ録音されていた音源が発見され、このたび初出収録される話題のBOXです。
ワーナーミュージック・ジャパン
ベスト2 カラヤン&ベルリンフィル ’66年東京ライブ
ベートーヴェン: 交響曲全集 1966年東京ライヴ ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ものすごい気力と充実感。
カラヤン入魂のベートーヴェン交響曲連続コンサートカラヤンとベルリン・フィルは1966年4月12日から16日にわたりベートーヴェンの交響曲の全曲コンサートを行いました。毎日のプログラミングはカラヤン自身が熟考し、最大の効果があがるように工夫されています。また最初に「コリオラン」、最後の第9の前に「レオノーレ第3番」という序曲を置くことで、すべてがメインの第9へ向かうことを示します。これについては連日会場で聴き詳しくレポートし、カラヤンの意図を分析した柴田南雄氏渾身の名解説をブックレットに全文掲載しており興味津々です。
序曲「コリオラン」以外は初出。カラヤンとベルリン・フィルのベートーヴェン交響曲全集といえば、1961-2年、1975-77年、1982-84年録音のDG盤が有名ですが、まだ若さあふれる1966年のステレオ・ライヴが加わったことはまさに奇跡でファン狂喜。この来日公演は「ベートーヴェンの全交響曲を連日演奏する」というカラヤンのからの条件で実現したと言われ、それほど彼がベートーヴェンにこだわったことが伝わってきます。当時、この一連の公演のチケットは高額ながら入手困難で、徹夜で求めるファンが社会現象としてニュースになりました。それほどまでに日本のクラシック・ファンを夢中にさせた日本クラシック音楽史に残る重要な記録、ぜひお楽しみください。
キングインターナショナル
ベスト3 カラヤン&ベルリンフィル 60年代
ベートーヴェン: 交響曲全集 [5CD+Blu-ray Audio]<完全限定盤> ヘルベルト・フォン・カラヤン 、 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤン没後25周年―
60年代の意気揚々たる全曲録音を最高の音質で!1961&62年、ベルリン、イエス・キリスト教会で収録されたステレオ録音が、あらたなるリマスターで見事に蘇りました。
ブルーレイ・オーディオには2003年のSACDによる交響曲全集発売時にも特典版として封入された交響曲第9番のリハーサル風景も収録。
カラヤン&ベルリン・フィルの良好な関係が感じられる意気揚々たる演奏が、最新のテクノロジーを駆使したリマスターによって更に迫力を増して圧倒的な感動の坩堝へ聴き手を誘います。
ユニバーサル・ミュージック
まとめ
カラヤンの演奏で好きなのは、基本的に変なことをする人ではないことです。
カラヤンに対して偏見を持っていると言いましたが、カラヤンは、若手美人女優として売り出してから、年齢を重ねてからもその美貌で勝負していったことです。
それはもしかして無謀な挑戦だったのかもしれません。
もっと幅広い芸を身に付けたり、深みや味わいを追求したりはしないで、あくまで見た目の麗しさで勝負することを続けたように感じます。
でも、そうなるとどうしても無理が生じるように思います。
それが逆に痛々しく感じるときもあります。
そして晩年、ベルリンフィルから追い出され、ウィーンフィルと録音した演奏には、そんな仮面を脱ぎ捨てたカラヤンが聴けるらしいです。
改めて聴いてみたいと思います。