こんにちは、
ともやんです。
ベートーヴェンの協奏曲は、どれも傑作揃いですが、その中でも異彩を放っているのが、ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための協奏曲で、俗に三重協奏曲、トリプルコンチェルトなどと呼ばれます。この文章では、以降、三重協奏曲とします。
ベートーヴェンの三重協奏曲とは
三重協奏曲が、作曲されたのは、ちょうど英雄交響曲を作曲していた1803~04年と思われます。
出版は1807年で非公式には、完成後ルドルフ大公邸で行われたようです。
公式の初演は、1808年5月のウィーンのアウガルテンにおいて、ヴァイオリンのイグナツ・シュパンツィヒ他の独奏によって行われました。
ロプコヴィッツ侯爵に献呈されました。
さて、この特異な協奏曲は、近代協奏曲の独奏部分を3種類の楽器が分担するという意欲的な作品です。革命児ベートーヴェンの革新的なアイデアにもかかわらず、3つの独奏楽器の独立性と近代の色彩的な管弦楽との融合とその処理が難しいのか、ベートーヴェンのこの時期の作品としては、いまひとつの魅力に終わっています。
また三人名手が揃ってその妙技を披露する曲としてはいいですが、三人の名手を揃えてまで演奏する曲としては、やはり魅力が劣るのか、コンサートで演奏される機会もまたレコーディングも少ないようです。
この曲の名盤というと、1969年に当時のソ連の名手、リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチの三人とカラヤン&ベルリンフィルの豪華な組み合わせがおすすめです。
そんなこともあり、僕自身もあまりこの曲を聴いてきませんでした。
しかし、チョントリオ&フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴いて初めてこの曲の魅力を知りました。
なんと言ってもチョントリオの息の合った、しかも高度なテクニックと豊かな響きを持った演奏では敵う者はいないと思われるくらいです。
ミョンファ(チェロ、1944年生まれ)、キョンファ(ヴァイオリン、1948年生まれ)、ミョンフン(ピアノと指揮、1953年生まれ)。
チョロのミョンファは、ジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位を獲得しているし、ミョンフンは、ピアニストとしてチャイコフスキー国際コンクールで第2位を獲得しています。
キョンファに関しては、言うことがないほどの名手ですの、まさに世界最強のトリオと言えるかもしれません。
とにかく、この三重協奏曲の魅力を再発見させてくれた名盤です。
チョントリオ ベートーヴェン 三重協奏曲の名演
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン – Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲 ハ長調 Op. 56
Triple Concerto for Violin, Cello and Piano in C Major, Op. 56
1.(17:36) I. Allegro
2.(05:20) II. Largo
3.(12:12) III. Rondo alla polacca
total(35:08)
チョン・トリオ – Chung Trio
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (指揮)
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4.(06:56)ロマンス第1番 ト長調 Op. 404.
Romance No. 1 in G Major, Op. 40
チョン・キョンファ – Kyung-Wha Chung (ヴァイオリン)
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (指揮)
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5.(08:20)ロマンス第2番 ヘ長調 Op. 505.
Romance No. 2 in F Major, Op. 50
パスカル・ガロワ – Pascal Gallois (ファゴット)
パトリック・ガロワ – Patrick Gallois (フルート)
チョン・キョンファ – Kyung-Wha Chung (ヴァイオリン)
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (指揮)
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6.(04:55)ロマンス ホ短調 Hess 136.
Romance cantabile in E Minor, WoO 207, Hess 13
パトリック・ガロワ – Patrick Gallois (フルート)
パスカル・ガロワ – Pascal Gallois (ファゴット)
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (ピアノ)
フィルハーモニア管弦楽団 – Philharmonia Orchestra
チョン・ミョンフン – Myung-Whun Chung (指揮)
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ピアニストとしてもチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門第2位の腕前を持つチョン・ミョンフンが、姉のミョンファとキョンファを迎えて弾き振りで録音した三重協奏曲。優美で親しみやすい2曲のロマンスと、断片しか残されていない珍しい編成のロマンス・カンタービレというレアな作品も収録しています。
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